ヘラブナのエサについて、ヘラブナの養殖に関する研究をまとめ、記事にしました。

ヘラブナについて

ヘラブナ（カワチブナ）は、ゲンゴロウブナの養殖個体で、無胃魚で比較的濁度の高い表層・中層に生息しており、餌は専ら植物性プランクトンです。

ヘラブナの養殖技術の研究結果

ヘラブナは脱イオン水より市販コイ用配合飼料と市販焼麩の水抽出液をついばんだことから、水溶性の化合物を知覚していると推察されます[１]。

ヘラブナの味覚を刺激し、摂餌を促進させる物質をアミノ酸数種類の中から探し出し、その添加効果を調べたところ、アミノ酸添加区は無添加区に比べ、増重倍率で1.5倍、餌料効率で6.4％高い値を示し、アミノ酸添加効果が認められます[２]。

このことから、小麦が原料の麩に養殖用ペレットやサナギ粉を加え、アミノ酸を補うとよく食べると考えられます。

アミノ酸はアミノ基とカルボキシ基から構成されている有機化合物です。

ヒトを始めとした生物の構成成分であるタンパク質はこのアミノ酸から出来ています。酵素もタンパク質から成っています。

タンパク質は水の次に多い生体成分で、ヒトでは体の約20%を占めます。タンパク質の最小単位がアミノ酸です。

タンパク質の構成成分としてだけでなく、アミノ酸はそれ自体が体内の生合成に機能します。

[１] ヘラブナに対する摂餌刺激評価法

https://www.jstage.jst.go.jp/article/aquaculturesci/58/2/58_299/_pdf/-char/en

[２] カワチブナ摂餌刺激物質の養殖餌料への添加効果

http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/kankyo/gijutsu/seika/kase.html